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「食」

熟成肉の家庭での作り方って本当に安全?オススメできない3つの理由

熟成肉の家庭での作り方がレシピ紹介サイトにも多数載っていますが、アレって本当に安全なのでしょうか?熟成肉ってプロが作るイメージがあるのですが…。サイトに載っている家庭での作り方について、オススメ出来ないと考える3つの理由をご紹介します。

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熟成肉とは

一般的に熟成肉と言っても、実は熟成肉の「定義」はしっかり決まっているわけではないんだそうです。では、「熟成」って一体何なのよ?ということになります。

「熟成」とは、一定の温度を保つことができる冷蔵庫で肉を一定期間『寝かせる』こと。寝かせることで肉自身が持っている酵素がタンパク質を分解し、それがアミノ酸へと変化することで、肉に旨みが増すという仕組みだそうです。

ちなみに熟成方法には専用の熟成庫で温度&湿度を管理する乾燥熟成(ドライエイジング)と、真空包装して冷蔵保存する保湿熟成(ウェットエイジング)の2種類があります。ドライエイジングによる熟成肉の方が、旨みも香りも高いのですが、コストが高いのが難点。

市場に流通していて、私たち達でも手の出しやすい価格でファミレスなどで提供されているものはウェットエイジングで作られた熟成肉と言っていいでしょう。

熟成肉の家庭での作り方

Step 1

ステーキ肉を深めの皿に並べ、ふんわりとラップをかける。肉を空気に触れさせて乾燥させることが目的なので、ラップはぴっちりとではなく”ふんわり”が重要。

Step 2

朝晩一回ずつ、肉をひっくり返し、まんべんなく乾燥させる。夏は1.5日~2日、冬は3日くらいかけて熟成させる。季節によっては家庭で7日くらい寝かせることも可能。熟成期間は長いほうがおいしくなるらしいです。

これは某サイトに載っていた方法を簡単にしたものです。と言っても作ったことはないのですけど…。だってなんか怖くないですか?腐らせるのに近い気がしちゃうんですよね。

上記の方法はたぶんドライエイジングを模倣しているんだと思うんですが、そもそもプロの人も家庭で熟成肉を作ることはオススメしていないようです。

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熟成肉を家庭で作るのをおすすめしない3つの理由

ではなぜプロは熟成肉を家庭で作ることをすすめないのでしょうか?

自分のところの売り上げが減るからでしょ!なんて言われそうですが(笑)それだけでなく、きちんとした理由がありました。

ドライエイジングの熟成肉を作る為には巨大な肉が必要

そもそもドライエイジングの熟成肉を作るのには、大きな肉の塊を必要とします。ドライエイジングすると表面は乾燥してカチカチになるので食べられたものではありません。なので、食べる際にはその部分をそぎ落とします。そうすると食べられる部分(可食部)は少なくなりますよね。

たとえばスーパーで売っている肉を使用するとしても500gくらいが限界で、そこから可食部を考えると半分以下になるんです。それ以上に大きな肉を用意できたとして、それを上手に熟成させられるのでしょうか?

家庭用冷蔵庫では熟成させる為の菌が活性化できる環境にならない

ドライエイジングで菌が活性化するには庫内の温度を2~3℃に保つ必要があります。しかし家庭用冷蔵庫の一般的な庫内温度は3~6℃と言われています。その上、頻繁に開け閉めするので、どうしても庫内の温度は不安定になりますよね。

2~3℃に保てない場合は、腐敗を促進する菌の繁殖を抑える力のある二酸化炭素を冷蔵庫内に充満させれば熟成が進むかもしれないらしいですが、二酸化炭素をどうやって充満させるのかという話になります。

さらにドライエイジングの為には空気の対流を作らなければいけません。…どうやって?冷蔵庫に扇風機入れるとか?ドライヤーつけっぱなしにするとか?

…つまり、家庭用冷蔵庫では熟成に適した環境を作れないのです。

安全面の危険性

このように、熟成に適した環境が作れない以上、どうやっても家庭で熟成肉を作るのは現実的ではありません。でも先に紹介したような方法で作られる熟成肉(もどき)もあるわけで。果たして正当でない方法で作られた熟成肉は安全なのでしょうか?

熟成=腐敗ではありませんし、似て非なるものです。しかし、一歩間違えればいつでも腐敗になるのです。熟成も腐敗も”菌”が関係していますからね。そこだけはよく理解しておいた方がいいと思います。

まとめ

家庭で熟成肉が手軽に作れたら…と思う人も多いでしょう。流通しているものは高いですからね。でも、家庭で”ちゃんとした”熟成肉を作るには、家庭用冷蔵庫を2~3℃に保ちつつ、乾燥させる為に中に扇風機を入れて空気の対流を作りそこに肉をつるした状態で4ヶ月ほど寝かせられる環境が必要なんです。

…現実的に考えてムリですよね。つまり、ネット上にあふれる「家庭での熟成肉の作り方」は、正確には「熟成肉もどき」ということになります。最終的には結局焼いて食べるんだから大丈夫、という方もいるかもしれません。自分一人で食べるならそれでもいいかもしれませんね。

でもやっぱり、熟成肉はプロが作ったものを食べるのが一番だと思います。それが一番安心で安全な方法ですよね。ちなみに、熟成と腐敗についてわかりやすくまとめた記事もありますので、参考にしてみてください⇒⇒熟成肉と腐敗の違いをわかりやすく解説!!

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