俳優の中嶋しゅうさんが急性大動脈解離で亡くなられましたが、ついさっきまで元気だった人がそんな簡単に死んでしまうのか、何か前兆はなかったのかと考えてしまいます。というわけで、急性大動脈解離の前兆や生存率について調べてみました。
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急性大動脈解離とは
俳優の中嶋しゅうさんの死因として注目されることになった、急性大動脈解離。実はこの病気、意外とポピュラーなもの。あんまりポピュラーであってほしくないものですが。
急性大動脈解離は日本人に多い病気のひとつで、循環器の病気による突然死の中では、心筋梗塞の次、つまり2番目に多い死因です。急性大動脈解離は、多くが高血圧症を持病とする患者さんに突然発症する病気と言われています。
また、動脈硬化も原因のひとつなんだとか。ただ、何の持病をもっていない人でも発症する危険はありますので、注意が必要です。誰でも急性大動脈解離になりうるということです。
急性大動脈解離とは、大動脈の内側に亀裂が入り、その裂け目から血液が大動脈の壁を裂いて壁内に流れ込む病気。たとえると、バウムクーヘンが薄く剥がれるように大動脈の壁が分離してしまうのです。裂けるチーズでもわかりやすいかも。いや、ちょっと違うか?
すると、薄い外側の膜は、高い血圧には耐え切れず、破裂したり、血液が染み出してきたりしてしまいます。
また、解離が発生して本来在るべきではない空間(外膜と内膜ではさまれている空間)が大きくなると、大動脈から分岐する動脈の本来の血液の通り道(真腔)を圧迫して、臓器血流障害を発生させます。そのため、脳梗塞、消化管壊死、下肢血流障害などが発生することがあるのです。
急性大動脈解離の症状としては、突然の激しい胸や背中の痛みがあったり、手足の動脈への血流が悪くなるので手や足の激しい痛みが突然に現れてくることもあります。ただ、これは必ずではなく、痛みが軽い場合もあるそう。
急性大動脈解離の前兆
では、急性大動脈解離の前兆を感じることは出来るのでしょうか?前兆あれば、対処も出来ますしね。
しかし、残念ながら急性大動脈解離は発症まで自覚症状がないことがほとんどで、前兆を感じることもあまりないようです。急激な胸痛が主な症状ですが、急性大動脈解離は解離が進行するまでは無症状ともいわれていて、心筋梗塞のように狭心症の状態もないため、前兆はあまりないと考えていた方がいいでしょう。
ただし、先ほど説明したように、急性大動脈解離の多くは高血圧や動脈硬化が原因と考えられています。ということは、高血圧や動脈硬化にならないよう、普段の生活を改め、正しい食生活と適度な運動を心がけるといいかもしれませんね。
また喫煙も、原因の一つなので禁煙も効果的ですよ。
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急性大動脈解離の生存率は?
急性大動脈解離が起こると、心臓から全身への血液の通りが悪くなるので、脳や心臓、腎臓などの主要な臓器に十分な血液が送れなくなります。また、大動脈が破裂して大量の血液が失われることもあるので、全身状態は急速に悪化します。
そのため、急性大動脈解離を発症した方のうち約20%は、病院に到着する前に亡くなってしまうんだそうです。中嶋しゅうさんも病院で死亡が確認されたので、このケースと考えてよいですね。
ちなみにそのまま治療が行われなかったりして放置された場合、発症後48時間以内に50%が、80%の方は発症から2週間以内で、そして90%の方が1年以内に死亡すると言われています。
急性大動脈解離の治療を受けた場合の生存率は?というと、その後の大動脈解離の合併症やその他の疾患が原因となり、5年後生存率は60%、10年後では40%程度まで減少してしまいます。
急性大動脈解離の治療が成功して退院したその後も、合併症などの心配があるので定期的に病院を受診することが大切なんだそうです。
まとめ
というわけで、急性大動脈解離の前兆や生存率について調べてみましたが、いかがでしたか?
今回の記事をまとめると
- 急性大動脈解離の前兆はほとんどない
- 急性大動脈解離の前兆はないが、原因となる高血圧や動脈硬化を予防する生活をすることで多少は予防になる
- 急性大動脈解離の生存率は、無治療の場合1年生きられるのは10%
- 急性大動脈解離の治療が成功しても10年生存率は40%
という感じですね。
健康な人でも突然発症するというこの病気。ちょっと怖すぎますが。。。普段から健康に気をつけた生活を送ることがせめてもの予防策になるのではないでしょうか。
突然発症するといえば、この病気も注目を浴びましたね。突然発症とかほんと怖い。どうにか前兆がわかるようになればいいのに~!→→溶連菌の感染による敗血症は人食いバクテリアが原因!!感染経路は?