アフリカマイマイ、名前だけ聞くととってもかわいらしいですが、実はとても危険なかたつむりです。アフリカマイマイがなぜ危険なのかというと、それは寄生虫に問題があるからなんだそう。アフリカマイマイの寄生虫の危険度について調べてみました。
アフリカマイマイとは?
マイマイって呼び方がすでにかわいさであふれているので、本当に危険な生物なのかな?って思っちゃうんですが、アフリカマイマイは危険なんです。
アフリカマイマイがなぜ危険なのかについては後述するとして、まずはアフリカマイマイがどんなかたつむりなのか調べてみました。
アフリカマイマイは、成貝の殻径が7~8cm、殻高が20cm近くにまでなる世界で最大級のカタツムリ。 殻は右にも左にも巻きますが、一般的には右巻きの方が多いそう。殻の色は食べるものによって変化し、通常は茶色が多いようです。
アフリカマイマイは夜行性で、昼間は草地や林縁部などの土中に潜んでいます。そして、夜になるとエサを求めて移動するのですが、ゆっくり動くカタツムリのイメージを覆すほど移動速度はかなり速く、一晩で50m以上も移動するんだそう。
アフリカマイマイは東アフリカのモザンビーク、タンザニア付近のサバンナ地域が原産といわれており、主に人為的に移植されて分布を広げました。
現在は東南アジア、インド洋、太平洋域の大陸島、海洋島(モーリシャス、スリランカ、ハワイ諸島、台湾、タヒチなど)、西インド諸島、カリブ海沿岸地域といった熱帯地方のほとんどに分布しています。
日本では南西諸島のうち奄美大島、徳之島、沖永良部島、与論島、沖縄本島、宮古島、石垣島に、小笠原諸島のうち父島、母島、南鳥島に分布しています。
気温の関係から奄美より北には定着できないとされていましたが、2007年10月に鹿児島県出水市と指宿市で相次いで発見され、現在でも県により駆除作業が行われています。
当初食用として日本に持ち込まれたものの食材にならなかったアフリカマイマイですが、台湾や中国などのように養殖して輸出や食用に用いている国も存在します。フランスでは絶滅寸前のエスカルゴ・ド・ブルゴーニュの代用品としてアフリカマイマイを使っているそう。
ちなみに、安物のエスカルゴの缶詰の中身は、アフリカマイマイであることが多いそう。サイゼリヤのエスカルゴはアフリカマイマイらしいですよ。
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アフリカマイマイの寄生虫「広東住血線虫」が危険な理由とは?
サイゼリヤのエスカルゴがアフリカマイマイと聞いて驚いたんですが、アフリカマイマイって危険だって先述しましたよね?なぜ、アフリカマイマイが危険なのかというと、アフリカマイマイを中間宿主とする寄生虫(広東住血線虫)がいるからなんです。
広東住血線虫は、人間に寄生した場合、好酸球性髄膜脳炎を引き起こす危険があり、場合によっては死に至るほど危険な寄生虫。
アフリカマイマイに触るのはもちろんのこと、這った跡に触れるなど、実際にアフリカマイマイに触らなくてもこの寄生虫に寄生される危険もあります。日本では植物防疫法により有害動物指定を受けており、分布地からの生体の持ち込みは原則禁止されています。世界各国でも本種の生体の持ち込みは禁止されています。
広東住血線虫に寄生されないためには、アフリカマイマイを生食しない、アフリカマイマイに触らないなどの対処が必要です。
好酸球性髄膜脳炎とは
好酸球性髄膜脳炎とは、髄液中に白血球の一種である好酸球が著しく増加して起こる髄膜炎を伴う脳炎のこと。 2〜35日(平均16日)の潜伏期の後、発症し、患者は微熱から中等度の発熱、激しい頭痛、 項部硬直、悪心、嘔吐、脳神経麻痺などの症状が現れます。
その他にも筋力の著しい低下、知覚異常、四肢の疼痛などを示すことも。複視、運動失調などを示す場合もあり、感染虫体数が多い重篤例では昏睡に陥ったり、死亡することがあります。実際に平成12年に沖縄県で好酸球性髄膜脳炎を発症した患者が死亡した例があります。
好酸球性髄膜脳炎には特効的な治療法はなく、治療の主体は対症療法となっています。
まとめ
というわけで、アフリカマイマイには危険な寄生虫がいることについて調べてみましたが、いかがでしたか?
今回の記事をまとめると
- アフリカマイマイは世界最大級のかたつむり
- アフリカマイマイの日本での生息地は、奄美大島、徳之島、沖永良部島、与論島、沖縄本島、宮古島、石垣島、父島、母島、南鳥島のほか、鹿児島県でも発見されている
- アフリカマイマイには広東住血線虫という寄生虫が寄生していることが多い
- アフリカマイマイの這ったあとを触っただけでも寄生されることがある
- 広東住血線虫が人間に寄生すると、好酸球性髄膜脳炎という病気を引き起こす危険がある
- 好酸球性髄膜脳炎は重症化すると、昏睡に陥ったり、死亡することもある
という感じですね。
かたつむりって攻撃してこないし、ゆっくりした動きだからか子供が手を出しやすい生物ベスト5に入ると思うんですが、こんな怖い寄生虫がいるかたつむりもいるんですね!こわ~。
最近のヒアリもそうですが、身近な生き物でも死に至る危険があるということを子供にもしっかり教えないといけませんね。むやみやたらに生き物に触っちゃいけないよって教えないと。
ヒアリの恐怖におびえつつ生活してますが、ヒアリによく似たアカカミアリなるアリも日本に入ってきているんだそうですね!ヒアリよりは毒性は少ないらしいですが、やっぱり毒のあるアリは怖い。こちらも気をつけないといけませんね!
ちなみにヒアリとアカカミアリの見分け方のポイントについて書いた記事はこちら→→アカカミアリとヒアリの違いは?見分け方のポイント必見!!
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