カナダやアメリカでロメインレタスが原因の大腸菌感染が相次いでいます。なぜロメインレタスから大腸菌に感染するのでしょうか?大腸菌感染が確認されたのはアリゾナ州ユマ周辺で生産されたロメインレタスだそうですが、なぜ産地が限定的なのか?産地が原因なんでしょうか?そのあたりも一緒に確認していきます。
ロメインレタスの大腸菌感染とは
大腸菌の感染というと、生の魚や肉からの感染のイメージが強いのですが、野菜からも起こりうるので、気をつけなければいけません。
アメリカやカナダでは、たびたびロメインレタスから大腸菌が検出され、感染する人も続出しているのです。
今年の6月ごろにもアメリカでロメインレタスが原因と見られる大腸菌に197人が感染し、5人が死亡した事例がありますし、先月以降も11の州で腸管出血性大腸菌O-157による食中毒の患者が32人発生しています。
先月以降発生している食中毒で死亡した患者はいませんが、13人が入院したということで、アメリカのCDC=疾病対策センターは、当面の間レタスの販売を中止し、消費者も食べることをやめるよう勧告しました。
ロメインレタスの大腸菌感染はなぜ起きた?
アメリカで6月頃に発生した大規模な大腸菌感染の原因は、アリゾナ州ユマで生産されたロメインレタスが大腸菌に汚染されたからだと言われています。
しかし、アメリカ食品医薬品局は「今回の流行はロメインレタスを扱う特定の生産者、収穫者、処理業者、流通業者によって説明できるものではない」としていました。
そうは言っても、なぜ大腸菌感染は起きたのか気になりますよね。なぜロメインレタスが原因なのかも気になるところ。前述したように、O-157と言えば、牛肉や豚肉からの感染が主だと思いがちですしね。
というわけで、個人的に考察してみることにしました。
まず、O-157とはどんな大腸菌なのかについて説明します。
O-157とは
大腸菌は、家畜や人の腸内にも存在しています。ほとんどのものは無害ですが、このうちいくつかは、人に下痢などの消化器症状や合併症を起こすことがあり、病原性大腸菌と呼ばれています。
病原性大腸菌の中には、毒素を産生し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こす腸管出血性大腸菌と呼ばれるものがあります。
腸管出血性大腸菌は、菌の成分(『表面抗原』や『べん毛抗原』などと呼ばれています)によりさらにいくつかに分類されていて、代表的なものが今回話題になった『腸管出血性大腸菌O157』。
そのほかに『O26』や『O111』などが知られています。腸管出血性大腸菌は、牛などの家畜や人の糞便のなかで見つかることもあります。
ここで一つ疑問になるのが、なぜ牛などの家畜の糞便のなかにいる大腸菌が生野菜に感染したのかということ。
実は牛からの糞便は環境を汚染するので、野菜を栽培している農場も腸管出血性大腸菌の汚染を受けている可能性があるんです。
つまり、もともと何らかの理由でロメインレタスを栽培している農場が大腸菌に汚染された状態だったとすると、それが原因ということになります。
また、ロメインレタスの出荷の段階で何らかの理由で大腸菌に汚染されたことも考えられます。
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ロメインレタスの大腸菌感染を防ぐには?
大腸菌に汚染された食品はニオイや見た目では判断出来ません。菌が付いているかどうかも、微生物学的な検査を行わないとわからないので、家庭やお店などで感染しているかを判断出来ません。
となると、予防は難しい…のかもしれませんが、家庭でも出来る対策が厚労省のホームページに載っていましたので、記載します。
- 野菜は新鮮なものを購入し、冷蔵庫で保管するなど保存に気をつける
- ブロッコリーやカリフラワーなどの形が複雑なものは、熱湯で湯がく
- レタスなどの葉菜類は、一枚ずつはがして流水で十分に洗う
- きゅうりやトマト、りんごなどの果実もよく洗い、皮をむいて食べる
- 食品用の洗浄剤や次亜塩素酸ナトリウムなどの殺菌剤を使ったり、加熱することにより殺菌効果はより高まる
我が家でもサラダをよく食べるので、ちょっと怖いのですが、実際に生野菜が原因で死亡している例もあるので、家庭でも出来る限りの対策はしておきたいですね。
まとめ
というわけで、アメリカでのロメインレタスの大腸菌感染はなぜ起ったのか、原因は何なのかについて調べてみました。
アメリカの食品医薬品局の調査によると感染の経路はわからないということでしたが、ロメインレタスの農場が大腸菌に汚染されていた場合、ロメインレタスも感染してしまうということはわかりました。
日本ではあまりロメインレタスは浸透していませんが、実は日本でも、「浅漬け」が原因で腸管出血性大腸菌O-157の集団食中毒が起きた事例があるので、出来る対策は取るといいのかなと思います。