台風で飛行機が飛ぶ確率は?条件はあるの?
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豆知識

台風で飛行機が飛ぶ確率は?条件はあるの?

台風の季節。この時期、旅行や出張などで遠方に行く方も多いのではないでしょうか。

空港に行って、電光掲示板に「天候調査中」と表示されていて飛ぶのかわからなくてひやひやした経験をお持ちの方もいるのでは?

天候調査中の時ってどのくらいの確率で飛ぶのでしょうか。

台風時に飛行機が飛ぶ確率や条件を知って万が一の時に供えておきたいですよね。

そこで、今回は台風時に飛行機が飛ぶ確率はどの位なのか、飛行機が飛ぶ条件等気になる事をいくつか調査しました。

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台風が来た!飛行機が飛ぶ確率は?

近年、8月以降に台風が日本に上陸する頻度が多く、前年も複数回に渡り、台風の被害が出ていました。夏休みやお盆時期には、特に飛行機を移動手段に使っている方も多いと思います。

それ故、台風が来るとなると飛行機が飛ぶのかが心配になってきます。そもそも、台風時には飛行機は飛ぶのでしょうか。

まず、出発する空港に台風が直撃する(暴風域に入っている)場合は、飛びません。極めて、飛ぶ確率は低いです。

この場合、定刻の時間には、飛ばない事が多いです。ただし、台風時に飛行機が飛ぶか飛ばないのかに関して、欠航の基準に明確なものはありません。

航空会社各社に欠航の基準についてマニュアルに定められていますが、公にはなっていません。

飛行機の欠航が決まるのは当日か前日の夕方以降が多いようです。早めに欠航が決まることもよくありますが、判断がしにくいような場合は、フライト直前に機長以下の打合せで決定することも少なくないようです。

飛行機は、横風に弱く、機種によっても風速が異なるので、飛ぶか飛ばないかの判断基準もそれに伴い、変わってきます。

正確な飛ぶ確率は、状況により異なるため、分かりかねますが、出発空港と到着空港を結ぶ航路(飛行ルート)上に台風がいる場合は、飛ぶ確率が高いとされています。

飛行機は台風より上を飛ぶとされており、十分な飛行高度が確保さえできれば、台風上空を通過し、十分な飛行高度を得られなくても航路を変えて回避することもできるようです。

また、到着空港に台風が直撃するとされていても、フライト中に台風が過ぎ去る見込みがあれば、飛ぶ可能性があるようです。その他、フライトの時刻を遅らせたり、多少上空待機をしたり、近隣空港へ着陸する可能性も踏まえて飛ぶこともあるようです。

ただし、到着空港に着陸するタイミングで台風が直撃してしまうというような場合は飛ばない可能性が非常に高くなります。

また、国内線と比べると国際線が欠航する確率は著しく低いと言われています。それは、空港周辺に台風が直撃するような場合でも、出発を遅らせるなどの対応をとり、可能な限り欠航を回避しようとしているからだそうです。

便数が少ない上に欠航による損失も大きい国際線では、できるだけ欠航を回避したいと考えるのが普通です。搭乗者の身の安全はしっかり考えた上での判断を下してくれています。

台風で空港周辺の交通が麻痺してしまった状態でも、国際線の場合は、数時間の遅延で飛行機の離陸時の安全が確保されれば、欠航はあまりしないようです。

ポイント

  • 出発空港が台風の暴風域に入っている場合は飛ぶ確率が極めて低い
  • 出発空港と到着空港を結ぶ航路上に台風がいる場合は、飛ぶ確率が高い(飛行機は台風の上を飛ぶから)
  • 到着空港に台風が直撃する場合でも、フライト中に台風が過ぎ去る見込みがあれば飛ぶ可能性はある
  • 国内線と比べて国際線が欠航する確率は著しく低い(ただし遅延する可能性はある)

航空会社別の欠航率は

上記でも述べていきましたが、台風が来る=欠航というのは無く、状況によっては、飛行出来る可能性があることが分かりました。ただ、欠航の判断は、各航空会社により判断基準も異なってくるため、欠航率も変わって来ます。

日本の航空会社の欠航率をランキング形式でみていきましょう。ちなみに、欠航率とは、運航予定便数に占める欠航便の割合のことを言います。

羽田や伊丹、福岡などの離着陸設備が整っている大空港ほど、数字が少なくなる傾向はあります。逆を言えば、空港施設が貧弱な離島路線や地方路線を多く持つ航空会社は、欠航率が高くなりがちになってしまうとされています。

また、大雪や台風などの悪天候の影響を受けやすい地域(例えば北海道や沖縄エリア)に便を多く飛ばしている航空会社も数字が高くなりやすい特徴が見受けられます。

では、ここで「大手航空会社・中堅航空会社 欠航率ランキング」の発表です。

1位は、ジェットスター・ジャパンで3.90%,

2位は、バニラエア2.12%,

3位は、全日空2.09%,

4位はピーチ1.96%,

5位は、日本トランスオーシャン1.87%,

6位は、エアドゥ1.75%,

7位は、ソラシドエア1.44%

8位 エアアジア・ジャパン1.43%,

9位 日本航空 1.42%,

10位は、スターフライヤー 1.37%,

11位 春秋航空日本 1.23%,

12位は、スカイマーク1.15%です。

これは、国土交通省(2017年度、国内線)の運航データにより算出された2018年度のランキングです。

国土交通省が発表している国内航空会社11社が台風シーズンの7月~9月期に天候により欠航した平成28年度の比率は、約0.7%で、100回に1回起こるかどうかという低い確率になっていました。

ただ、これはあくまでも平均しての数字なので、実際には台風当日の欠航率は、拠点空港では50%を超える高い数字になるとも考えられます。

台風で飛行機が飛ぶための条件はある?

ランキングが分かったところで、台風時に飛行機が飛ぶための条件が気になる方も多いと思います。先でも少し述べてきましたが、詳しく調査してみました。

飛ぶための条件と言っても、基準は各航空会社によりも違い、状況やその時々により臨機応変な対応がされているため、欠航になる基準を挙げていきたいと思います。

ポイント

  1. 横風の影響
  2. 視界不良
  3. 雨や雷の影響

台風時に欠航になり得る判断基準の一つの要因として、横風の影響の有無が最も重要とされています。

次に考えられるのは、視界不良です。そして、台風がもたらす雨や雪等の影響も視界不良を招きかねないため、その降水量や雨粒の大きさなども絡んでくるでしょう。

大きく考えられるのは、上記の三点です。その3点がどうして重要視されるかについては、後程条件ごとにお伝えしていきます。

先にもお伝えしたとおり、各航空会社によって基準や判断が異なります。それは、会社による基準や飛行機の対応機種等によっても変わって来ますが、それだけでは無く、当日のスタッフの技量によっても異なってくるのも事実です。

普段、当たり前に登場している飛行機は、多くの管制官、パイロット、副機長、CAさんなど多くのスタッフの方々により支えられて、搭乗者の身の安全を十分に考慮された上で、運航されています。

その分、飛行機の技量、機長などの技量、臨機応変に対応出来る能力等も異なる生ものです。それ故、同じ区間をA社は飛んでいても、B社は欠航というような場合も当然起こりえます。

一つに、使う飛行機の機種の違いにより、「横風制限」が異なります

例えば、「ボーイング777」は乾いた滑走路状態では、38ノットの横風まで離着陸ができるとされています。

これに対して、「ボーイング767」は横風制限が29ノットです。横風が35ノットの際に、A社は「ボーイング777」を使用していて、B社が「ボーイング767」の機材を使用していたとしたら、A社だけは運航可能ですが、B社は欠航となります。

この機種による横風制限は、航空機メーカーによるテスト値で、実際に機材の装備により違いがあり、航空会社によっても運航基準が異なります。

そして、上記で挙げたスタッフの技量の中には、パイロットの資格の違いも含んでいます。視界が悪くても、離着陸できる資格を持っているパイロットとそうでないパイロットがいます。

その日のパイロットの資格と天候により、A社とB社で運行するかどうかの違いが生ずる場合もあるという事です。それだけでは無く、管制官のまとめる技量や指示を出す臨機応変に対応する能力も関わってくると思います。

飛ぶ・飛ばないを決める条件は横風が決め手!

台風が飛行機に及ぼす影響で最も危険なのは、離着陸時の横風と視界不良。飛び立ってしまえば、あまり危険は少なく、巡航高度で飛行中は台風の近くでも特に問題ないとされています。

欠航の判断をする時に、出発地と到着地の離着陸時の横風と雨・霧などの情報が重要となってきます。決め手は、離着陸時に台風が与える影響です。

この重要視される横風の強さというのは、向かい風や追い風がかなり強い場合でも、飛行機の機体が受ける影響はそれほど大きくなく、横風から受ける影響の方が大きいことがあるようです。

機体の大きさ等によって異なりはしますが、飛行機は構造上、横風に弱いため、横風が15~20mで影響が出るとされています。

そのため、飛行機には機種ごとにより、横風制限というものが決まっています。例えば、「ボーイング777」は19.5mの横風まで離着陸ができます。一方、「ボーイング767」は14.9mが制限です。

15m以上の台風の強風域では欠航の確率が高くなることが言えます。そして、離着陸時においての風向きと風速が重要な判断要素となります。

向かい風であれば強風でも離着陸できる可能性がありますが、離陸時は強い追い風や離着陸と共に強い横風が吹いている際には、離着陸は不可能です。

例えば、羽田空港のように滑走路がいくつかの向きに複数本あるような空港であれば、滑走路を変更することで対処できることもありますが、国内の殆どの空港は滑走路が1本となっているので、強い横風となる場合は非常に難しい状態に陥ります。

視界不良も条件に

次に要因とされるのが、視界不良。「視界」もかなり問題です。飛行機が着陸する際は、滑走路が上空から見えていないといけません。

どのくらいの距離感で見えていれば問題がないかというのは、空港や飛行機の装備によって異なってきますが、視界がほぼゼロの濃霧状態では、当然着陸不可能です。

このように、視界不良は、運行欠航の判断にかなりの影響を与えます。

雨や雷の影響はどの程度?

近年増えているのが「雷雨」。いわゆるゲリラ豪雨による欠航です。台風よりも事前に予測しづらく、雨量よりも空港での視界不良が原因となります。雨量により、欠航と判断するケースよりも、やはり視界不良が起きえるかで判断する方が強い印象です。

雷の影響は、あまりないとされています。調べてみた結果、飛行機は雷くらいでは欠航は少ないようです。基本的には、出発時間が遅れて運行することがほとんどです。

飛行機の運行に支障が出てくる雷雲は、だいたい1時間程度でいなくなることが多いとされています。そのため、雲の動向を30分~1時間くらい様子を見た上で、運行をするケースが多いようです。離陸した後は、雷雲を避けての飛行をしていきます。

雨や雷の際の出発前、目的空港の天気が悪い時に、良く聞く「ただいま天候調査中です」というアナウンス。これは、一時的に出発手続きを停止したり出発を見合わせたりしていることがあります。

こういった時には、目的地が強風や大雪、視界不良などの荒天であり、出発しても着陸できるかどうか分からない時が多いようです。

この天候調査というのは、現時点での気象状態の運航の可否を検討しているのではなく、飛行機が飛び立って着陸する際に天候がどうなっているかを推測し、運航を検討しているようです。

つまり、飛行時間が1時間であれば、1時間後に気象状態がどうなっているかを推測し、運航の可否を検討しています。それと並行し、もし着陸できない場合には、近くのどの空港に着陸するのか、出発空港に戻ってくるのかということも検討しているようです。

検討の結果、出発することになれば、乗客に「条件付の運航」と案内し、着陸できない場合は戻って来るもしくは、目的空港以外に着陸する可能性があるなど、着陸できない時の条件を知らせます。

出発したものの、目的空港の天気が悪い時には、最初から着陸をあきらめるもしくは、一度は着陸を試みるか等の判断は機長がします。着陸を試みても途中で着陸不可能と判断された場合、着陸を中止し上昇するゴー・アラウンド(着陸複行)を行います。

このように、雷や雨での影響は、少なからずあるものの視界不良に影響が出ない限りは、できるだけ現場判断の下、運航する方向性の方が強いような感じです。

機材繰りも影響する

また、台風時に起きえるのが、機材繰りの問題です。台風が過ぎ去った翌日も気は抜けません。機材繰りの問題が考えられるからです。これは、機材が用意できないために運休するというものです。

「機材繰り」には「整備不良」なども含まれますが、台風などの悪天候の影響で利用予定の機材が到着しなかったといった場合もあります。

飛行機は、1日に同じ飛行機(機材)をいくつもの便で使用して運航します。例えば、東京/羽田→札幌/新千歳→東京/羽田→福岡→東京/羽田といった流れで一日の中に同じ機材で運航をしていきます。

これらの中で1便でも大きな遅延や機材の故障が発生したりすると、後便に影響を及ぼしてしまいます。

台風などの悪天候の際には、出発した空港に引き返すことや他の空港に行き先を変更(ダイバート)すると、後続の便が通常通りの運航ができなくなり欠航となってしまうケースが出てきます。

これが「機材繰りによる欠航」です。分かりやすく、名前を挙げて例えるならば、小松→羽田の朝1便で搭乗するつもりだったものが、前夜に羽田空港に台風が直撃したために羽田→小松便の最終便が欠航となり、翌朝1便目に使用するはずであった機材(=前夜の最終便)が小松空港に到着していないことにより欠航となるケースです。

飛行機の欠航はいつ決まる?

出来れば、早めに欠航を発表して欲しいものですが、ANA公式サイトからの情報によると、航空便の遅延や欠航は状況により変化をするため、ご出発直前に確定することが多くなりますが、台風などの天候により見通しがつく場合には早めに確定をする場合もあるようです。

ただ、基本的に2日以上前に欠航が決まることはないようです。多いケースは、当日や前日の午後に決まるケースだそうです。台風の場合、離着陸の両空港が暴風域に入ってしまうと予想されている場合には、欠航になる可能性があると考えていた方が良いかもしれません。

そうすると、乗る乗客側からの判断として気象庁の台風暴風域予測に基づいて少し心の準備をすることが出来るかも知れません。

飛行機が天候調査中の時の飛ぶ確率は?

空港に着いて、「天候調査中」の表示が出ていた場合、目的地まで飛んでくれるのかとても気になります。

その場合、飛行機が飛ぶ確率はどれくらいなのでしょうか?

国土交通省の発表している欠航率を参照にすると、令和2年度の欠航率は0.96%。

この中には「機材繰り」「機材の故障」など「天候」以外の理由も含まれているので、天候調査中の時の飛ぶ確率とは少し異なりますが、それでもほとんどの飛行機が飛ぶということがわかります。

ただ、天候調査中の場合、時間通りの出発は期待しない方がよさそうですし、運良く飛んでも、引き返してきたり、目的地以外の空港に着陸する場合もある、ということを頭に入れておいてくださいね!

天候調査中の時の飛ぶ確率については、下記の記事でもっと詳しく説明しておりますので、参考にしてください^^

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まとめ

台風が多くなるこの季節。今回は台風時に飛行機が飛ぶ確率はどの位なのか、飛行機が飛ぶ条件等の気になる事をいくつか調査しました。出発する空港に台風が直撃する場合は、飛ばない事が分かりました。

また、台風時に飛行機が飛ぶか飛ばないのかに関して、欠航基準に明確なものはなく、航空会社各社により判断基準も異なってくることも分かったと思います。

飛行機の欠航が決まるのは当日か前日の夕方以降が多く、欠航の判断がしにくいような場合は、フライト直前に機長以下の打合せで決定することも少なくありません。

飛行機の欠航には、横風や視界不良が影響しており、それらが一つの判断基準としても重要なポイントとなります。

そして、悪天候による機材繰りも欠航の要因の一つになるので、悪影響の連鎖が起きえてしまうという可能性もある事が分かりました。

上記の事で台風時の飛行機の欠航に関することも飛行機自体のことも分かったと思います。

これらの事を踏まえて、旅行時や出張時には欠航に直面しそうな時も今がどういう状況なのか、これからどういう状況になっていくのかを想像してみると良いかもしれませんね。

飛行機が欠航になった場合の代替手段として、新幹線を選ぶ方法もありますが、新幹線も台風で運休する場合もあります。

新幹線と飛行機、どっちを選んだらいいのか?をまとめた記事はこちら→→台風のとき新幹線と飛行機をどっちを選ぶ?影響を受けやすいのは?

また、新幹線が運休した場合の払い戻し方法などについてまとめた記事もありますので、一緒に読んでみてくださいね!

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