じわじわ近づいてくる台風。新幹線で旅行の予定があったけど、台風で運休するかも…。払い戻しってどうしたらいいの?という方の為に、新幹線が台風で運休した時の払い戻し方法やそれ以外の方法についてまとめてみました!
新幹線の運休とは
台風だけでなく、大雪や大雨、地震などさまざまな理由で運休することがある新幹線。乗る予定だった新幹線が突然運休になって困ったという経験をした方も少なくないのではないのでしょうか。
この記事を書いていて、そもそも、運休って言ったり運転見合わせって言ったりするけどなんか違うの?とふと疑問に思ったので。まずはそのふたつの違いを調べてみました。
運休と運転見合わせの違い
新幹線だけでなく、在来線でもよく使われる「運休」と「運転見合わせ」。二つ並べると同じような意味に見えますが、この二つには大きな違いがあります。
運休とは
運休は、鉄道などの交通機関において、運転自体を取り止めることです。つまり、運転がキャンセルされること。運転自体が取りやめになるので、目的地に着く前の途中の駅などまで運転していた列車でも、運休が決まったら運転の再開は行われません。
同じ意味で「運行中止」という呼び方もありますが、鉄道会社が公式に使っているのは「運休」で、駅の掲示板などで使われる呼び方も「運休」に統一されています。
運転見合わせとは
運転見合わせとは、列車が出発を待機している状態のことで、運転可能な状況になったら、運転が再開されます。
人身事故や線路内人立ち入りなどの場合はよく「運転見合わせ」になることが多いですよね。これは、事故の後処理や安全確認がされれば運転が再開されるので「運転見合わせ」の状態なのです。
運転見合わせの場合、目的地に2時間以上遅れて到着すると特急料金のみ払い戻しが可能です。が、1時間59分の遅れだった場合は原則払い戻しはありません。究極ですね。。
台風による新幹線の運休の基準は?
新幹線だけでなく、従来線などの鉄道すべてにおいて、強風や大雨の場合、運行基準をもとに運転の見合わせや徐行運転、運休の対策を取ります。
以前はこのような場合には「徐行運転」⇒「運転見合わせ」⇒「運休(一部)」⇒「全線運休」とステップアップしていくような対策の仕方でしたが、最近では台風の影響の場合は「運休」に一発でなるケースも多く、迅速な判断がなされています。
乗車する側としては動くか動かないかやきもきする時間が少なくなる方がよっぽど精神的にはいいので、ありがたい判断ですよね。待たされて待たされて結局「運休」とか言われたら絶対イラっとしますもんね。
で、この台風の時、新幹線が運休する基準があります。強風と大雨とで基準がありますので、そちらを載せておきますね。
強風
運休の基準:風速30メートル
これは新幹線だけでなく、在来線もそうですが、風速が30メートルを超えた場合、運休になります。
JRでは、風速が20メートルを超えた場合は速度を落として運転します。なので遅延が発生することが予想されます。
各新幹線の制限速度は以下の通り。
風速20m/s以上
東北新幹線、上越新幹線・・・160km/h制限
東海道新幹線・・・170km/h制限
風速25m/s以上
山陽新幹線・・・120km/h制限
その他・・・70km/h制限
暴風域を持つ台風が接近する場合、風速25メートル/毎秒を超える可能性が大いにあります。台風が直撃するルート上に新幹線の沿線がある場合は、ほぼ確実に運行に影響が出ると考えてよさそうです。
ちなみに台風の強さは以下のように表されます。
強い(33m/s~44m/s) < 非常に強い(44m/s~54m/s) < 猛烈な(54m/s~)
「強い台風」は台風の強さのなかでは一番下のランクになりますが、それでも中心付近の風速が33メートル/毎秒以上というのが定義とされています。ということは、一番下のランクの「強い台風」でも台風が接近すれば新幹線が運休になる可能性も十分にあるのです。
大雨
続いて大雨の場合の運休の条件についてまとめていきますね。大雨の場合は、強風の時にくらべて、比較的運休の条件が下がっています。
運休の基準:各新幹線によって異なる
九州新幹線⇒1時間あたり100mm以上
東海道新幹線⇒60mm以上
山陽新幹線⇒55mm以上
東北・上越・長野新幹線⇒運休が想定されていない
雨の量が多いと視界不良になるため、運転する上での判断指標(信号など)を確認しづらくなることも影響として考えられますが、それ以上に路面に対する影響があるようです。
新幹線の運行区間の中には、盛り土を利用して路線を作る、いわゆる「盛土区間」が多く存在します。この区間は土で作られていますので、その分雨の影響を受けやすいのです。
東海道新幹線の区間では、このような盛り土区間が多いため、他の新幹線の区間よりも少ない雨量で運休になるのです。
強風のときと同じく、運休まではいかないけれど、速度制限をして走行するということもあります。東北・上越・長野・東海道新幹線は50mm以上の雨で時速70kmに速度制限します。
東北・上越・長野新幹線は内陸を通っているため、比較的台風に強く、大雨での運休が想定されていないようです。対する東海道や山陽新幹線は海沿いを走っているため、運休する条件が違うんですね。
ただし、台風のルートによっては運休を想定していない路線の新幹線でも、運休する可能性も十分考えられますので、そういう場合にはしっかり対策を練るようにしてください。
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台風で新幹線が運休した時は
それでは台風で新幹線が運休したとき、どのような行動を取ったらいいのかを詳しくまとめていきましょう。
きっぷが手元にないとき(購入前)
まず、まだ切符を購入していない時に新幹線の運休が決まった場合。目的地までの区間が一部分でも運休となった場合は、その区間は原則販売中止となるので、切符の購入が出来ません。日程をずらすか他の方法を考えましょう。
ただし、振替輸送が行われている時はまれに、切符が販売されることがあります。その場合に切符を購入すると、一部区間の運休を知った上で購入したと見なされるので注意が必要です。乗車券を払い戻してもらえない可能性があります。
(実際は払い戻ししてくれると思うが、規則上NG)
きっぷが手元にあるとき(購入後)
切符を購入後で、すでに手元にあるときはいくつか手段があります。
- 乗車をやめる⇒払い戻し
- 後続列車に乗車する※運行している場合に限る
- 後日乗車する
乗車をやめる場合
乗車をやめる場合は、手数料なしで全額(特急料金と運賃)分が払い戻し出来ます。払い戻しは運休した翌日から起算して、1年以内であれば駅で切符を提示すればどこの駅でも手続き可能です。
ただし、指定席券ではなく自由席券で、後続の列車が動いている場合は、後続の列車に乗らなければいけません。
後続の列車に乗車する場合
後続の列車に乗車する場合、指定席券の場合は無料で後続列車に変更可能です。ただし、指定席が満席の場合は自由席を利用することになります。この場合は料金(特急券)の半額が返金されますが、乗車前に駅員さん、車掌さんに事前に申し出た場合に限定です。
窓口で購入したきっぷは、通常1回しか変更はできませんが、運休が関係する場合は2回目でも3回目でも何度でも無料で変更することができます。
乗車中に運休した時も払い戻し出来る?
乗車中の新幹線が目的地に着く前の途中の駅で運休になった場合は、後続の列車に乗車することが出来ます。この場合、運休になった新幹線の特急料金は全額払い戻し出来ます。
また、運休の決まった途中駅で新幹線を降り、旅行を中止するときは、乗車しない区間の乗車券運賃も払い戻し出来ます。駅で払い戻しの手続きか払い戻し請求の証明をもらっておくことを忘れずに。
ただし、品川〜東京間、大阪〜新大阪間、東京・上野〜大宮間、東京〜上野間のみ、運休した場合は、新幹線特急料金の差額のみの返金になります。
旅行を中止する他に以下の手段もありますので、参考にしてください。
- 有効期間の延長
- 無賃送還
- 他経路乗車
- 不通区間の別途乗車
有効期間の延長(後日列車に乗る)
申し出た日から開通後5日以内に乗車して移動を再開することができます。駅に切符を預け、切符と引き換えに証明書をもらい、再開時に受け取ります。
開通するまで駅周辺のホテルで宿泊するなどすればこの手段を利用出来ますね。再開予定が早そうな場合など、一度目的地に戻るよりこの場所で待っていた方がいいケースの場合は「有効期間の延長」を選択するのも良いでしょう。
無賃送還(出発駅に引き返す)
運休の決まった駅で新幹線を降り、出発駅に引き返す時は、特急券と乗車券の全額が払い戻しされます。ただし、特別な事情がない限り、行きと同じルートで戻らなければなりません。
また、出発駅に戻る途中で降りた場合は、出発駅から途中下車した駅までの乗車券代が差し引かれ、残りの区間の運賃と特急券代が払い戻しされます。出発駅か途中下車した駅で払い戻し請求の証明をもらってくださいね。
他経路乗車(他の電車で移動する)
目的地までの移動が可能な最短ルートの列車に無料で乗車出来ます。新幹線ですと区間が限られてしまいますが、在来線や特急列車の利用も可能です。
新幹線と特急料金の差額は払い戻しを受けられますので、他経路に乗車する駅で証明をもらって、払い戻しを請求してください。
不通区間の別途乗車(別の手段で移動)
乗車駅から目的地までの区間を自分で選択した別手段で移動した場合は、その区間の乗車券代と特急券の代金の全額が払い戻しされます。この場合、途中駅で「不乗車証明」を貰った上で払い戻しが必要です。
例えば、新幹線が運休したので、一部の区間を路線バスで移動した場合はその区間分の運賃は払い戻しされます。
台風で新幹線が運休した場合の払い戻し方法
乗車をやめる場合のところで少し説明しましたが、もう少し詳しく説明しますね。
台風の影響で乗る予定だった新幹線が運休した場合は、乗車券・特急券の全額が払い戻しされます。旅行の途中で台風などで運休が決定したため、引き返して旅行を取りやめる場合でも乗車券と特急券の全額が払い戻しされます。
ちなみに出発地に戻る運賃も無料になります。
払い戻しの手続きが出来る場所
払い戻しが決定したら、各JR駅の窓口へ行きましょう。
運休が決定した当日に出発駅の窓口で払い戻しするのがスムーズですが、当日は窓口も混雑しているでしょうし、並びたくない!という場合は、後日でも手続き可能です。前述した通り、払い戻しの期間は1年以内ですので、あまり先延ばしにしない方がいいですね。
忘れちゃう可能性もありますしね。
ちなみに、旅行会社を経由して購入した切符の場合は、JR駅の窓口では払い戻し出来ませんので、JRの駅で証明を受け、後日旅行会社経由で払い戻しを受けることになります。
ICサービスの払い戻し
ICサービスを利用している場合は、列車が運休したときに、自動で払い戻し手続きが行われます。
くれぐれも自分で払い戻し手続きをインターネット上で行うことはやめましょう。ただし、ICサービスであっても、他の列車との接続などで問題が発生した場合は、サポートセンターなどに連絡してください。
インターネットサービスの場合
えきねっとやe5489などのインターネットできっぷを予約・購入していて、受取前に当該列車の運休が決まった場合、きっぷは自動的にキャンセルされます。受取後は、通常のきっぷと同じ扱いですので、窓口へ行きましょう。
台風の影響で遅延し、乗り継ぎに間に合わなかった場合
JR線で移動中、台風の影響による遅延に巻き込まれた結果、乗る予定だった新幹線に間に合わない場合があります。また、その逆で新幹線が遅延してJR線への乗り継ぎが間に合わない場合もあります。
こんな時どうすればいいのか、確認しておきましょう。
JRが遅れて新幹線に乗れなかった時は
JRが遅れて新幹線に乗れなかった時は、後続の新幹線の自由席には乗ることが出来ます。
もし、JR線が止まってしまった等の場合に遭遇したら、まずは駅の窓口で相談しましょう!大丈夫だろうと自分で判断し、乗車を継続した場合には何の補償もしてくれませんので要注意。
タクシーなどの移動で間に合う場合は、タクシーチケットをもらえる場合もあるようなので、このような状況になったときはとりあえず駅窓口で相談!と覚えておきましょう。
ちなみに地下鉄などの私鉄やバスなどJR以外が遅延して、予定していた新幹線に乗れない場合は、「お客様都合」となり残念ながら何の補償もありません。諦めて後続の新幹線の自由席で移動しましょう。
新幹線が遅れ、乗り継ぎに間に合わない時は
新幹線が遅れ、乗り継ぎが間に合わないという状況に遭遇することもあるでしょう。このような場合、新幹線の中で「新幹線(特急列車)に乗継予定の方は車掌にお知らせ下さい」とアナウンスが必ずありますので、車掌さんが自分の客車に回ってきた時点で申し出ましょう。
必ず自分から行動を起こすことがポイントです。申し出た場合は、乗り継ぎ電車が待ち合わせしてくれたり・・とJRとしての最善の方法をとってもらえます。
ただし、乗り継ぎ先が飛行機や私鉄などJR以外の電車の場合は、何の補償もしてもらえませんので、注意してください。自分で乗り継ぎ先に確認しなければなりません。
最悪新幹線が遅れて飛行機に間に合わなくて、その日のうちに目的地まで到着出来ず、予約していたホテルに宿泊出来ない場合でも当日キャンセル料は自分持ちです。
これは「お客様を指定した目的地まで送り届ける」というJRの切符の契約方針が関係しています。目的地に送り届けるという契約であり、いつまでにという期間は定められていません。
つまり、電車の到着時刻に関しては保証されていないのです。この辺は勘違いしないように注意しなければいけませんね。
新幹線からJR以外の乗り物に乗り継ぎする場合、時間に余裕を持ってチケットを取るということも頭に入れておくといいですね。
台風の影響で新幹線が運休した場合の払い戻し方法 まとめ
というわけで、台風の影響で新幹線が運休した場合の払い戻し方法やその他、運休した場合の対処法、遅延した場合の対処法についてまとめてみました。
- 運休とは「運転自体を中止すること」
- 運転見合わせは「運転を中止しているが再開する予定がある」
- 台風で新幹線が運休した場合、切符の購入前後で取るべき行動が違う
- 台風で新幹線が運休した場合の払い戻しは、出発駅の窓口でその日のうちに行ってしまうのが一番スムーズ
- 台風で新幹線が運休したの場合の払い戻しの期間は1年間
- 乗車中に運休した時も払い戻し出来る
- 運休した場合は、とにかく窓口で相談してみる
旅行などの予定が入っていると台風の影響ってとっても気になりますよね。新幹線だけでなく、各交通機関にも大きな影響を及ぼす台風。ちなみに飛行機の場合はどうなるのか?についてはこちらの記事でまとめています!
出来れば運休などにならずに目的地に到着出来れば一番いいですが、もしも運休になった場合はこの記事を参考にしてみてくださいね。