みなさんは溶連菌の感染による敗血症ってどんな病気か知っていますか?溶連菌の感染による敗血症は人食いバクテリアが原因とも言われていますが、そもそも人食いバクテリアの感染経路はどうなっているのでしょうか?調べてみました!
西武森慎二コーチの死因は溶連菌の感染による敗血症だった
6月28日に多臓器不全のため死去した西武・森慎二投手コーチ(享年42)の死因は、多臓器不全とされていましたが、その原因となった病気が「毒性の強い溶連菌の感染による敗血症」だったんだそうです。
溶連菌の感染による敗血症とは?
溶連菌感染症といえば、子供のいる家庭ではよく聞く感染症のひとつですよね。溶連菌感染症にそんなに怖いイメージを持っているママパパって少ないのではないでしょうか?私もそうです。
溶連菌感染症の主な病原体はA群溶血性レンサ球菌で、A群溶血性レンサ球菌感染による一般的な疾患は咽頭炎であり、さきほど述べたように子供が多くかかる病気として知られています。
今回森コーチが亡くなった原因となった毒性の強い溶連菌による敗血症とは、劇症型溶連菌感染症とも言われ、突発的に発症し、急速に多臓器不全に進行するβ溶血を示すレンサ球菌による敗血症性ショック病態のことで、普通の溶連菌感染症とはかなり違うのです。
溶連菌の感染による敗血症の原因と言われる人食いバクテリアとは?
『人食いバクテリア』とは、溶連菌による壊死性筋膜炎という感染症の通称です。
劇症型溶連菌感染症には毎年400人ほどが感染しており、そのうち30%もの人が死に至っているという、かなり致死率の高い病気になっています。これが人食いバクテリアと呼ばれる由縁でもあります。
人食いバクテリアと言われるととても怖い病気のイメージですが、実は上であげた子供がよくかかる溶連菌感染症と劇症型溶連菌感染症はどちらも同じA群溶血性レンサ球菌が原因です。
ただ、同じA群溶血性連鎖球菌であっても、傷口やのどなどから血液中に入り込み、劇症型したときに人食いバクテリアとなってしまうようです。
A群溶血性レンサ球菌自体は実は意外とありふれた細菌で、体内で共存していくことが可能な場合もあります。溶連菌に感染しても症状が特に起こらないことを不顕性感染と言い、症状はないけど、のどに溶連菌が存在している小学生は1割ほどいる、との報告もあるんだそうです。
劇症型溶連菌感染症は年齢に関係なく、健康な人にも突然発症するのが恐ろしい特徴。
劇症型溶連菌感染症は「壊死性筋膜炎」というきわめて急速に進行する軟部組織の感染症であり、典型的な例では指先や足先など四肢の末端部から、1時間に数cmもの速さで壊死が進行していきます。高熱、全身状態の不良、局所の腫脹・疼痛が主症状となっています。
劇症型溶連菌感染症は壊死した部分を切除するという治療法が有効なので、森コーチの行った手術というのは、壊死した部分を切除すつ手術だったのではないか、と個人的に推測します。
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人食いバクテリアの感染経路は?
この人食いバクテリアの感染経路についてはっきりしないケースがほとんどというのが現状。
感染経路さえわかっていれば、予防の方法も広がるのに!と思いますよね。ただ、溶連菌は、咳(せき)やくしゃみなどで発生する細かい水滴(飛沫)に多く含まれていると言われています。
そのため、飛沫感染が主だと考えられていますが、皮膚の接触や溶連菌に汚染された食品を介して経口感染する場合もあるんだそう。また、外傷や熱傷、水痘などで皮膚が障害されている場合に、発症の危険性が高いともいわれています。
感染経路のはっきりしない劇症型溶連菌感染症ですが、予防対策のために、手洗い・うがいはしっかりしましょう!また、手足に赤みをともなった痛みがでる、傷が化膿して発熱するなど異変が感じられた場合は、早めに病院に行きましょう。
進行スピードの速い劇症型溶連菌感染症は、少しでも早く適切な治療を受けることが重要なんだそうです!
まとめ
というわけで、今回は溶連菌の感染による敗血症は人食いバクテリアが原因なのか、また感染経路はどうなっているのかについて調べてみましたがいかがでしたか?
今回の記事をまとめると
- 溶連菌の感染による敗血症は、劇症型溶連菌感染症(人食いバクテリア)が原因
- 人食いバクテリアはA群溶血性レンサ球菌
- A群溶血性レンサ球菌が突然劇症化して人食いバクテリアに変わる
- 劇症型溶連菌感染症は進行スピードが速いので、異常を感じたらなるべく早く病院を受診する
という感じですね。
つい先日友人の子が溶連菌感染症にかかっていたので、日常的な病気だと思っていましたが、突然劇症型に変わってしまうこともあるんですね。しかも特に大人。怖いですね・・・。元気な人でも突然かかるなんて恐怖過ぎます。
ただ、怖がっているだけでは何の意味もないので、手洗いうがいを徹底し、少しでもおかしいなと感じたらすぐ病院に行くことを心がけましょう。
そういえば、細菌つながりでこんな記事も書いてます。レジオネラ症も死に至ることのある怖い病気なんですよ!→→温泉でレジオネラ菌に感染!?レジオネラ症の症状、原因は?感染した場合の対処法など!
ちなみにこの記事は医療的には全くの素人が調べたことを個人的にまとめただけなので、心配なことがある場合はやはり病院を受診してくださいね!