2019年5月1日。新天皇が即位され、新しい時代が始まりました。そこで気になるのが、新天皇の第一子である愛子様が天皇になられる可能性です。愛子さまは女性なので、現在のところ天皇になられる可能性はほぼゼロ。
ですが、血統としては天皇に一番近い存在です。将来的に愛子様が天皇になる可能性はあるのか、またその結論はいつ出るのか?調べてみました。
愛子様が天皇になられる可能性はあるのか?
上皇陛下の退位の話題が出始めたころから、噂されていたこの話。
現在の皇室典範では女性が天皇になることを認めていません。
皇室典範第1条に『皇位継承資格は天皇に属する男系男子のみ』と定められていますからね。
『天皇に属する男系男子』とは、わかりやすく言うと『天皇と血がつながっている男子』ということ。
つまり、愛子様は天皇陛下と血はつながっていますが女性なので現在の皇室典範のままでは愛子様が天皇になられる可能性はほぼゼロです。
ちなみに2019年5月現在の皇位継承順位第1位は新天皇の弟である秋篠宮皇嗣殿下(皇嗣殿下についてはこちらの記事を参照⇒⇒皇嗣殿下とは?皇太子との違いは何?)。そして第2位は秋篠宮悠仁様となっています。
血のつながり的には、上皇陛下の長子の子である愛子様の方が天皇に近い存在なのですが、「男性ではない」という理由で天皇になられる可能性がなくなってしまっているのです。
もし、愛子様が男子であったら皇太子として皇位継承順位第1位になっていました。
性別が違うだけでこんなにも変わってしまうんですね。
愛子様を天皇にするためには皇室典範の改正が必要
2019年現在、愛子様が天皇になられる可能性はほぼゼロと言いました。
なぜゼロではなく、ほぼゼロなのかというと、皇室典範の改正があれば天皇になられる可能性がなくはないからです。
実は皇室典範第4条には「天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する。」(皇位を継承するのは天皇が崩じた時であるということ)という条文があります。
が、上皇様は特例として崩御される前に退位されました。このように特例が認められることもあるんですね。
ということは、今回のように特例が認められれば愛子様が天皇になられる可能性もゼロではないというわけです。
秋篠宮悠仁様がお生まれになるまでは、女性天皇の容認についての議論も活発にされていましたし、実際に女性天皇を求める声もあるようです。
では具体的に愛子様を天皇にする場合、どのように皇室典範は改正されるのでしょうか?
まず、皇室典範で定められている『男系』『男子』という文言をなくし、女系・女性天皇を認めます。
そして、女性宮家の創設も可能にし、結婚後も皇室に残れるような制度を作らなければなりません。ただ、女性宮家の創設については現在もさまざまな議論がなされており、実際に創設となると時間がかかりそうです。
(女性宮家についてはこちらの記事で詳しく解説しています⇒⇒女性宮家はなぜ反対される?問題点は何?)
現在の日本では古くから続いてきた天皇家としてのしきたりを守る意識が根強く残っているため、女性天皇や女性宮家の創設については反対意見が多く出ています。
時代の変化に伴って、皇室も変化すべきという意見も、万世一系として続いてきた皇室のしきたりに従うべきという意見もどちらにも納得できるので、答えを出すのも難しいなぁと個人的にも思っています。
過去に女性天皇はいなかったのか?
愛子様が天皇になられる可能性は、皇室典範が改正され、特例が認められない限りゼロということになりますが、過去の日本には女性天皇はいなかったのでしょうか?
実は日本には過去8人10代の女性天皇が存在していました。
- 推古天皇 すいこ 592年 - 628年
- 皇極天皇 こうぎょく 642年 - 645年
- 斉明天皇 さいめい 655年 - 661年
- 持統天皇 じとう 686年 - 697年
- 元明天皇 げんめい 707年 - 715年
- 元正天皇 げんしょう 715年 - 724年
- 孝謙天皇 こうけん 749年 - 758年
- 称徳天皇 しょうとく 764年 - 770年
- 明正天皇 めいしょう 1629年 - 1643年
- 後桜町天皇 ごさくらまち 1762年-1770年
その全員が男系祖先に天皇を持つ(父親や祖父が天皇)男系女性天皇と呼ばれる存在です。
最後の女性天皇は江戸時代宝暦のころなので、250年近く前となります。現在の皇室典範が制定されたのは明治時代なので、女性天皇の存在もありだったというわけですね。
愛子様も男系祖先に天皇を持っているので、この時代だったら天皇になっていたかもしれません。
女性天皇が認められない理由
そもそも現在の皇室典範で「男系男子」と定められているのはなぜなのでしょうか?女性の社会進出が目覚ましい現代で、皇室だけはなぜこの決まりをずっと守っているのか。
実は女性天皇の容認を難しくしている事情のひとつとして、『神道儀礼』の問題が挙げられます。
皇室が行う神道儀礼には、女性が行うことができない儀礼が多く存在しているのです。女人禁制ってやつですね。
現在でも大相撲の土俵などでは女人禁制のしきたりが守られていますし(以前救命のために土俵にあがった女性に降りるよう要請して、炎上したこともありましたね)、女性がここまで活躍している現代でも、このようなしきたりを変えるのは難しそうですね。
ご紹介した歴代の女性天皇もその行事だけは中止していたそうで、これも大事な問題となっているようです。
ちなみに全国各地で行われている由緒あるお祭りなどでも女人禁制を守っていることがありますが、お祭りの女人禁制が取り入れられたのは男尊女卑が広く浸透した江戸時代または明治時代以降とされていて、古事記には女性も祭りに参加していた記述が見られるそうです。
まとめ
というわけで、2019年5月現在、愛子様が天皇になられる可能性について考えてみました。
愛子様が将来天皇になられる可能性は、皇室典範の改正が行われ、特例として認められないかぎりゼロです。
過去には女性天皇も存在していましたが、皇室典範が制定された明治時代以降は存在していません。(男系男子という決まりができたため)
また、皇室の伝統儀式には女性禁制の儀礼も多くあるため、女性天皇容認を難しくしているとも考えられています。